tools:バーナー(トーチ)

ジュエリーをつくる上で、道具はかかせません。
とくに、私がつくる「よせもの」は、「ろう付け」という作業が必要です。
「ろう付け」とは、金属を接合する溶接の一種です。
「ろう付け」作業については、今後、説明するとして、今回は、ろう付けをする道具である、「バーナー」(トーチ)について、お話します。

バーナー(トーチ)各種

私が使うバーナーは、3種類あります。
左上が「プロパンガス」
中央が「都市ガス+酸素混合ガス」
右下が「水素+酸素混合ガス」

それぞれ、火力や、火口などを変更でき、作業にあったバーナーを使い分けます。
これから説明する使い分けは、あくまでも、私のアトリエでの使い方です。

「プロパンガス」は、もっとも火力が大きく、他のバーナーに比べ、火口があまり小さいものが無いのが特徴です。
私のアトリエでは、厚みがあり、熱を吸収するのに時間がかかるものをろう付けすることに使います。しかし、私の作品で、それほど熱を吸収するのに時間がかかる大振りなパーツを使うことが、ほとんどないので、めったにそのような使い方はしません。
しかし、「寄せ」作業といい、パーツを並べるための「胡粉」(泥状のもの)を軽く乾かしたり、スワロフスキーのクリスタルを留めるツメを、あらかじめなましたりする時に使います。

「都市ガス+酸素混合ガス」は、200度から900度ぐらいまで幅広い「ろう付け」作業で、私は使っています。火口も細いものから、ある程度、幅のあるものまであるので、便利です。
何よりも、バーナーが軽いので、長時間作業するのも疲れません。
450度以上のろう付けを一般的に「ろう付け」と呼び、450度以下のものを「低温ろう付け」すなわち「ハンダ付け」と呼ばれます。
と、言うことで、このバーナー、ひとつで、「ろう付け」から「ハンダ付け」までこなしてしまう、便利な相棒です。

「水素+酸素混合ガス」は、水素、酸素発生装置というもので、混合ガスを作ります。これが、面白い!水を入れておくと、電気分解で、水素と酸素の混合ガスに変えてくれます。それも、余裕で1000度を超える加熱ができる優れものです。
しかし、火口が比較的細く、局部的なロー付けに向いているため、私の「よせもの」の作業では、比較的、出番が少ないのが現状です。
しかし、一点だけをろう付けするには、とても便利だったり、修理などで、ピンポイントで熱を入れたいときなどは、便利です。

その他、修理などで「ハンダ鏝」を使うことも良くあります。

適材適所、バーナーを使い分けて作業をしていることが、お分かりいただけたでしょうか?
ただ、バーナーの知識、ろうづけの知識だけがあっても、良い仕上がりになるわけではありません。
対象物の大きさ、並び方などにより、熱の吸収のしかた、熱の逃げ方などが変わってきます。
さらに、熱膨張などもあるので、寄せ方(並べ方)から、考えることもあります。
何事も、経験とカンが必要な作業です。

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